住野 「求められている自分」と「本当の自分」が違うのは、世の中の人たちは大なり小なりみんな抱えている問題だとは思うんですけど、「他の名前を持つ」ということで可視化されるんですよね。それが見えてしまうのは難しい部分もあるなぁ、と。
例えば住野よるがいいことを言われると、「住野よるが褒められてるなあ」って人ごとに思うんですよ。でも、悪口を言われると、「住野よるが言われている」とは思わないんですよね。称賛は住野よるで止まるんですよ。だけど、悪口は僕まで届くんです。モモコ それ、すっごい分かりますね。悪いことを言われると、自分を責めちゃう。いいことを言われてもモモコグミカンパニーが言われているだけで、「おまえではない」と思っちゃう(笑)。
「モモコグミカンパニー」と「自分」との対比。
モモコさんには、その二面性にどう向き合ってきたか聞いてみたいな。今はどっちも自分として受け入れられてる気はするけど、その気持ちの変化の理由とかね。
あと、この対談のテーマにもなっている「小さな幸せを大切にしながら生きていく」。良いこと言ってるな感があるんだけど、めちゃくちゃ難しいことと思うんですよ。普通の人って代わり映えのない毎日を送っていて、それでいいと思ってるし、無理に変える必要なんてないと思ってる気がするので。この対談で影響を受けた人が少しでも前に向けるんだったら、それで良いのかなと。
最後に「小さな幸せを大切にしたい」と気づけることは、辛いことや悲しいことをたくさん経験しないと出てこない言葉だと思うので、裏の部分をあまり見せないのはやっぱり優しくて強い人たちだなあと感じますね。